経営事項審査ではX1、X2、Y、Z、Wの各点数を計算し総合評定値P点が算出されます。
このページでは技術職員数および元請完成工事高(Z点)について解説します。

Z点は総合評定値P点の25%を占める項目です。
特に技術職員数の項目は比率が高く、短期的な対策で点数アップを見込めますので積極的に取り組んでください。
技術職員数
「技術職員数」は各業種ごとに技術者・技能者がどれだけいるかを審査する項目です。
総合評定値P点のうち20%を占める重要な項目です。
技術職員としてカウントするには以下の2つの条件を満たしている必要があります。
- 審査基準日以前6ヶ月を超える恒常的雇用関係があること
- 雇用期間の限定がないこと
つまり、審査基準日(決算日)直前に雇用した職員や、派遣社員・アルバイトなどの雇用期間に制限がある職員は技術職員としてカウントすることができません。
技術職員数の計算方法
技術職員の方にはお持ちの資格、CCUSの技能者レベル、経験に基づき以下の点数が割り振られます。
資格などの種類 | 一人当たりの点数 |
---|---|
1級資格者かつ監理技術者講習修了者 | 6 |
監理技術者講習修了者でない1級資格者 | 5 |
1級技士補 | 4 |
登録基幹技能者、CCUSレベル4 | 3 |
2級資格者、CCUSレベル3 | 2 |
その他の技術者 | 1 |
各資格ごとの配点は「有資格区分コード表」を確認してください。
1級と名前のつく資格でも配点が2点となる資格がありますので気を付けてください。
また、技術職員の点数は業種ごとに集計します。
複数の業種に対応した資格をお持ちの技術職員の方がいらっしゃる場合でも、
1人の技術職員につき2業種までしかカウントすることができません。
STEP1で業種ごとに集計した技術職員の点数を「技術職員計算表」に当てはめて業種ごとの技術職員数評点を計算します。
P点に換算する場合は(技術職員数評点)×0.8×0.25=(P点換算点数)で計算してください。
技術職員数の点数アップ対策
- ①監理技術者講習を受講する
-
1級資格者は監理技術者講習を受けると5点→6点と点数がアップします。
講習は1日で終わりますので必ず受講しましょう。
- ②資格取得を促す
-
資格取得について勉強費用を援助したり、取得者にボーナスを出すなどして資格取得を勧めるのが有効です。
新たに資格者を雇用するよりも費用が安く済むことが多いでしょう。
- ③CCUSに登録する
-
職長経験や必要な資格があり、CCUSレベル3以上の判定を受けられる技術職員の方がいる場合は、
CCUSに登録し、技能者レベル判定を受けることで技術職員の点数を獲得できます。
元請完成工事高
「元請完成工事高」は完成工事高のうち注文者から直接請け負った元請工事の完成高を審査する項目です。
総合評定値P点の5%を占める項目です。
そこまで比率が高くないのは元請工事はほとんど土木・建築一式工事であり、専門工事業者が元請となることがあまりないため、業種間の差が開きにくくなるようにするためです。
元請完成工事高の点数計算方法
業種ごとに千円単位の元請完成工事高を「種類別年間平均元請完成工事高」の計算式に当てはめて計算します。
2年平均と3年平均がありますが、X1の完成工事高評点で選択した年数で平均し計算します。