CCUS(建設キャリアアップシステム)の登録メリット・デメリット

CCUS(建設キャリアアップシステム)は令和5年頃の義務化に向けて運用が進んでおります。

このページではCCUSの登録による

  • 技能者のメリット4つ
  • 事業者のメリット4つ
  • デメリット2つ

を紹介します。CCUSの登録を迷われている方はぜひ最後までお読みください。

行政書士橋本

このページを読んでいただくとCCUSに「何のために登録するのか?」「登録してどんな得があるのか?」がわかります!

目次

技能者のメリット4つ

CCUSに登録することで技能者には下記4つのメリットがあります。

  • 客観的で正当な評価を受けられる
  • キャリアアップのモチベーションにつながる
  • 転職時に自身の能力を証明することができる
  • 適切な退職金を受け取ることができる

客観的で正当な評価を受けられる

CCUSに登録された情報をもとに4段階の技能者レベルの評価を受けることができます。

客観的な基準に基づく技能者レベルの評価により、能力に見合った処遇を受けられることも期待できます。

CCUSに登録される技能者情報

  • 就業日数
  • 職長経験
  • 保有資格
  • 表彰歴  など

各技能者レベルの基準は以下の通りです。

技能者レベル
レベル4 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)
  • カードの色:金色
  • 職長経験3年以上、就業日数10年以上が必要
レベル3:職長として現場に従事できる技能者
  • カードの色:銀色
  • 職長経験半年~3年以上、就業日数5~7年以上
レベル2:中堅技能者(一人前の技能者)
  • カードの色:青色
  • 就業日数2~3年以上
レベル1:初級技能者(見習いの技能者)
  • カードの色:白色
  • CCUSに技能者登録され、レベル2~4に当てはまらない方

キャリアアップのモチベーションにつながる

先ほど解説した技能者レベルには客観的な基準があります。

例えばレベル1の「内装仕上技能者」の方がレベル2に上がるには以下の条件があります。

  • 就業日数(実務経験)3年
  • 2級技能士(内装仕上げ施工職種または表装職種)などの資格取得

技能者の方にとっては何をすれば自身のレベルが上がるか明確になっているので、

キャリアアップに向けて目標を立てて取り組むことができます。

転職時に自身の能力を証明することができる

CCUSには就業日数職長経験など客観的に証明することが難しいデータも蓄積されています。

資格など明確な証明方法がない方でも自信をもって能力をアピールすることができます。

事業者側にとっては能力のある技能者の方が転職してしまってはまずいので、適切な評価を行うことにもつながります。

適切な退職金を受け取ることができる

日々の現場にてカードリーダータッチを行うことで320円の建退共掛金を積み立てることができます。

従来のような証紙での積み立てではないため管理の負担が少なく、積み立て漏れも無いため適切な退職金を受け取ることができます。

事業者のメリット4つ

CCUSに登録することで事業者には下記4つのメリットがあります。

  • 客観的に施工能力を確認できる
  • 労働者の能力を確認できる
  • 経営事項審査の加点を狙うことができる
  • 事務負担が軽減される

施工能力を客観的に確認できる

CCUSに登録された事業者情報をもとに、元請業者は初めて依頼する下請業者の能力・各種保険加入状況を確認できます。

逆に下請業者は元請業者に技術者数や資格者数、工事実績により施工能力をアピールできます。

CCUSに登録される事業者情報

  • 許可業種
  • 社会保険・建退共・労災保険など加入状況
  • 各技能者の技能レベル別人数
  • 工事実績  など

労働者の能力を客観的に確認できる

CCUSの事業者情報には資格だけではなく、日々の就業実績や職長経験なども登録されます。

自社の技能者のレベルに応じた適切な評価を行い、またキャリアアップのための目標を明確に示すことができます。

経験者を雇用する際にもCCUSのデータを確認することで今までの工事経験など証明が難しい経験についても信用できるデータとして確認できます。

経営事項審査の加点を狙うことができる

CCUSの技能者レベルについて以下の条件で経営事項審査の加点要素となっております。

  • 技能者レベル3または4の技能者がいる
  • 3年以内に技能者レベルが上がった技能者がいる

公共工事の入札に参加される事業者の方は特に恩恵が大きいメリットです。

事務負担が軽減される

CCUSのシステムを活用することで以下のような事務作業の負担が軽減されます。

  • 施工体制台帳の作成
  • 作業員名簿の作成
  • 建退共の証紙管理

施工体制台帳や作業員名簿についてはCCUSシステムにおいて現場IDで検索し出力ボタンを押すだけで完了です。

建退共の管理については日々のカードリーダータッチで自動的に記録されますのでかなりの負担軽減となります。

デメリット2つ

CCUSのデメリットは以下の2つです。

  • 料金・費用がかかる(登録時、毎年)
  • 登録の手間がかかる

費用がかかる

①技能者登録料
申請方法登録料(税込)
インターネット簡略型2,500円
詳細型4,900円
認定登録機関詳細型4,900円
簡略型は無し
②事業者登録料

事業者登録料は資本金により決まります。

個人事業主の場合は6,000円で固定、そのうち一人親方の場合は事業者登録料はかかりません。

資本金登録料(税込)
一人親方0円
500万円未満
または個人事業主
6,000 円
500 万円以上
1,000 万円未満
12,000 円
1,000 万円以上
2,000 万円未満
24,000 円
2,000 万円以上
5,000 万円未満
48,000 円
5,000 万円以上
1 億円未満
60,000 円
1 億円以上
3 億円未満
120,000 円
3 億円以上
10 億円未満
240,000 円
10 億円以上
50 億円未満
480,000 円
50 億円以上
100 億円未満
600,000 円
100 億円以上
500 億円未満
1,200,000 円
500 億円以上2,400,000 円
③管理者ID利用料

事業者情報を管理するIDの利用料は毎年支払う必要があります。

建築部・土木部など部署ごとに管理者IDを分けている場合はIDの数だけ下記費用が毎年かかります

事業者種別IDごとの料金
法人
個人事業主
11,400円/年
一人親方2,400円/年
④現場利用料

現場でカードリーダーを用いて情報を登録するごとに10円の現場利用料がかかります。

人数×現場数×日数×10円=現場利用料

月末締めで原則1か月分の現場利用料が登録責任者宛に請求されます。

登録の手間がかかる

CCUSの登録には必要書類の準備や入力フォームへの入力に手間がかかります。

事業者登録・技能者登録のマニュアルは合計150ページほどあります。

一度の登録のために長いマニュアルを読みながら対応するのは非効率ではないでしょうか。

CCUSの登録は行政書士が代行できますので、許可を依頼した行政書士についでに依頼してみてもよいかもしれません。

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