CCUSは技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来に向かって建設業の担い手を確保するために
技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴等の技能者に関する情報を業界横断的に登録・蓄積するシステムです。
CCUSを活用することで若い世代にキャリアパス(目標とする役職に就くための経験・過程)と処遇の見通しを示し、
技能と経験に応じ給与を引き上げ建設産業全体の価格交渉力向上につながることが期待されています。
本ページではCCUSに関する以下の内容について解説します。
CCUSは令和5年度から民間工事を含むあらゆる工事で原則化される方向で進んでいます。
いずれ登録するのであれば早めに登録しておくほうがメリットが大きいです。
建設業許可がなくても登録可能ですのでこのページを読んで早めの登録を検討してください!
CCUSに登録するメリット
CCUSを活用することで技能者・下請業者・元請業者それぞれにメリットがあります。
①技能者の評価
CCUSには技能者の資格、就業日数、マネジメント能力などの情報が登録されます。
自身の能力に関するデータが蓄積されることで技能者にとって以下のようなメリットがあります。
- 能力評価や技能者レベルごとの年収目安が明確になり適正な評価や処遇に期待できる
- 現場や勤務先が変わっても客観的に能力を証明することができる
- 外国人労働者の資格などの確認が容易になる
②事業者の評価
事業者については雇用する技能者の情報、社会保険加入状況、安全衛生資格保有の有無などの情報が登録されます。
事業者の状況が見える化されることで元請業者、下請業者共にメリットがあります。
- 下請業者は技術者の情報が登録されていることで自社の施工能力を証明することができる
- 元請業者は下請業者の施工能力やコンプライアンス体制が確認できるため初めての取引でも安心して行える
③事務作業の効率化
CCUSを活用することで、今まで紙で行っていた事務作業がIT化・電子化されます。
具体的には以下のような事務作業の負担が軽くなります。
- 建退共掛金の積立状況把握
- 施工体制台帳、作業員名簿の作成
- 賃金・代金支払い根拠の確認
CCUSへの登録の流れ
CCUSには事業者登録と技能者登録の2種類の登録が必要です。
それぞれの登録の流れを紹介します。
事業者登録について
事業者登録はインターネットからの申請または認定登録機関への申請となります。
認定登録機関への申請は記入済みの登録申請書を直接持参する方法になります。
インターネットでの申請方法は以下の手順です。
※すべてJPG形式(またはJPEG形式)のデータで用意してください。
- 建設業許可証明書または建設業許可通知書(許可あり業者)
- 事業税の確定申告書または所得税の確定申告書+履歴事項全部証明書(許可なし法人)
- 納税証明書または所得税の確定申告書または個人事業の開始届出書(許可なし個人事業)
- 健康保険、年金、雇用保険、建退共など加入証明書類
メールで届いたURLからログインし、
手順通りに必要事項の入力とSTEP1で用意した画像ファイルのアップロードを行います。
不備なく登録が完了すると登録完了通知メールが届きます。
以上でCCUSの事業者登録は完了です。
技能者登録について
技能者登録は原則インターネットで行います。
ただし、運転免許証・マイナンバーカード・パスポートをお持ちでない方はインターネットでの申請ができませんので、
認定登録機関での登録が必要となります。
インターネット申請の手順は以下の通りです。
※すべてJPG形式(またはJPEG形式)のデータで用意してください。
- マイナンバーカード、運転免許証またはパスポート
※外国籍の方は在留カード - 加入社会保険等証明書類(保険証など)
- 保有資格証明書類
- キャリアアップカード用の顔写真
メールで届いたURLからログインし、必要事項の入力とSTEP1で用意した画像ファイルのアップロードを行います。
簡略型は2,500円、詳細型は4,900円の手数料を支払います。
不備なく登録が完了すると登録完了通知メールおよび建設キャリアアップカードが順次届きます。
以上でCCUSの技能者登録は完了です。
CCUS利用のための手数料
CCUSの利用にあたって以下の手数料がかかります。
- ①技能者登録料
-
申請方法 登録料(税込) インターネット 簡略型2,500円
詳細型4,900円認定登録機関 詳細型4,900円
簡略型は無し - ②事業者登録料
-
事業者登録料は資本金により決まります。
個人事業主の場合は6,000円で固定、そのうち一人親方の場合は事業者登録料はかかりません。
資本金 登録料(税込) 一人親方 0円 500万円未満
または個人事業主6,000 円 500 万円以上
1,000 万円未満12,000 円 1,000 万円以上
2,000 万円未満24,000 円 2,000 万円以上
5,000 万円未満48,000 円 5,000 万円以上
1 億円未満60,000 円 1 億円以上
3 億円未満120,000 円 3 億円以上
10 億円未満240,000 円 10 億円以上
50 億円未満480,000 円 50 億円以上
100 億円未満600,000 円 100 億円以上
500 億円未満1,200,000 円 500 億円以上 2,400,000 円 - ③管理者ID利用料
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事業者情報を管理するIDの利用料は毎年支払う必要があります。
建築部・土木部など部署ごとに管理者IDを分けている場合はIDの数だけ下記費用が毎年かかります
事業者種別 IDごとの料金 法人
個人事業主11,400円/年 一人親方 2,400円/年 - ④現場利用料
-
現場でカードリーダーを用いて情報を登録するごとに10円の現場利用料がかかります。
人数×現場数×日数×10円=現場利用料
月末締めで原則1か月分の現場利用料が登録責任者宛に請求されます。
技能者の能力評価について
CCUSには現場での業務や資格についてのデータが蓄積されますが、
そのデータをもとに技能者の能力評価を受けることができます。
評価はレベル1からレベル4まであり、各技能者レベルに応じた色の建設キャリアアップカードが発行されます。
技能者レベルにより技術力やマネジメント能力を公平かつ客観的に評価することができます。
能力評価を受けるための申請方法と、各技能者レベルの評価基準について解説します。
技能者の能力評価を受けるための申請方法
各能力評価実施団体ごとに手数料や申込手順が若干異なりますので
詳しくは「国土交通省HP」から申請される能力評価実施団体の申込方法をご確認ください。
各技能者レベルの評価基準
技能者レベルは以下の3点を基準として評価されます。
- CCUSに登録される就業日数
- 保有資格
- 職長・班長としての就業日数
また技能者レベルは1~4の4段階設定されています。
レベル4:高度なマネジメント能力を有する技能者(登録機関技能者等)
レベル3:職長として現場に従事できる技能者
レベル2:中堅技能者(一人前の技能者)
レベル1:初級技能者(見習いの技能者)
技能者レベル3または4の技能者がいる場合や、3年以内に技能者レベルが上がった技能者がいる場合は経営事項審査でも加点要素になります。
建設キャリアアップシステム利用開始前の経験でも証明をすることができれば評価対象となります。
特に公共工事の入札に参加する業者様にとってはCCUSへの加入は必須と言えるでしょう。